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2023年1月~

親の相談室(クラスや担任の先生はどのように決まるの)2023.5.1


 若葉の頃を迎えて,山の新緑に温かさを感じます。過ごしやすい「季節」となりました。決して長く続かない,「爽やか日」をめいっぱい楽しみたいですね。
 「訪日客(インバウント)」も,「新型コロナ」前の水準にまで回復をしているそうです。マスクをつけない人も,街中に自然と溶け込んでいます。
 いよいよ,「コロナ」も,インフルエンザや風邪に近い扱いとなってきました。このことは,人々の3年間の「踏ん張りの成果」でしょうね。

 さて,新学期が始まって,一ヶ月近くなっています。新しい「クラス」になじんで,楽しく過ごしている児童や生徒は多いことでしょう。

 誰とクラスメートになるか,新しい担任はどんな先生になるか,期待と不安で,「始業式」を迎えていました。
 親やこどもにとって,誰と同じクラスになるのか,誰が担任になるのか大きなことだったでしょう。

 クラスメートや担任の先生しだいで,毎日が「楽しくなる」か「そうでなくなる」かが決まってきますものね。「天と地の差」はあるかもしれませんね。
 「クラス」が,学校生活の中心となります。「クラス」が楽しくなければ,学校が面白くなくなります。もちろん登校を渋ることも出てきます。

 不登校やいじめを受けた経験のあるこどもにとっては,受け皿である「クラスが温かいか」,「担任の先生が優しいか」は,死活の問題です。

 親も,懇談会や家庭訪問などで担任の先生と会うことになります。もちろん,親同士の付き合いも,こどもの「クラス」に影響を受けます。

 ところで,次年度の「クラス分け」は,いつ,どのようにしてされるのでしょうか。
 「クラス分け」の作業は,今の学年の先生が中心となって,3月の春休み前の数日間でなされます。「指導性」,「問題性」,「成績」などを短冊に書いて,分けることになります。

 事前に,親から同じクラスにして欲しいといった「友だち希望」があれば,クラス分けの「資料」として扱います。また,「支援」を要するこどもへの配慮も,決して忘れることはありません。
 これらの「クラス分け」の作業は,先生方の大きな仕事の一つです。

 4月になって,最初の職員会議で,「新しい学年の先生」が決まります。そのあとの学年会で,誰がどの「クラス」を担当するかを相談していきます。

 最終的に,男女比,旧クラス比,配慮生徒などを検討して,「クラス」や「担任」が決定されます。
 すぐに,「クラス発表」のための用紙に,名簿順に名前を清書する作業となります。

 年度途中の「クラス替希望」は,聞いてはもらえることはありえませんが,新学年の「クラス分け」のタイミングでの「友だち希望」や「担任要望」などは,「考慮」してもらえる可能性はあります。

 「友だち希望」は,3月中旬ぐらいまでに,親から,担任や管理職の先生にお願いすればいいでしょう。「希望する担任」や「苦手な担任のタイプ」を伝えることもこの頃がいいですね。

 学校に親やこどもの希望を,思い切って伝えることができれば,しっかりと「考慮」してもらえるでしょう。学校の実情からみて,どうしても無理な場合は,「クラス発表の前」に,事前に学校から連絡が入るはずです。

 学校は,こどもが「楽しく元気に登校してくれること」を望んでいます。これは,最も大きな「学校教育目標」です。その実現にむけて,できうる限りの「配慮」や「協力」は必ずしてもらえます。

親の相談室(給食で登校を嫌がるがどうすればいいの)2023.4.1


 この4月で,こども相談室がまる3年を迎えました。感謝の気持ちでいっぱいです。心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 ところで,3月はWBCでは,日本国中が盛り上がりました。サッカーのワールドカップと規模こそ違いますが,大谷翔平らの活躍で,準決勝ではメキシコ,決勝ではアメリカを破り,14年ぶりに優勝しました。そのときの感動の余韻がいまだに残っています。

 新型コロナで必要とされたマスクも,野外では自由となりました。確かに,街中でもマスクなしの方々を見かけるようになりました。学校でも,マスクを具体的にどうしていくか議論がなされています。コロナから解放される喜びを感じます。

 さて,不登校の相談の中に,「給食が嫌で登校できないがどうすればいいのか。」という質問がよくあります。中には,「給食ぐらいで,どうして登校ができないのか思うが,こどもの深刻な問題のようすに驚いている。」ということも聞きます。

 学校教育では,給食は「食育教育」といって,とても大きな位置づけとなっています。教育委員会の事務局には,給食担当の指導主事も設置されています。各学校には,栄養を担当する教諭も設置されています。

 成長期にあるこどもの健康と体格を配慮して,理想的な調理を目指しています。各家庭では実現が不可能なぐらいの「栄養のバランス」を追求しています。

 給食のバリエーションや美味しさも検討されて,地域の特色を生かしたメニューもあります。現在では,親の世代から見ても,羨ましいと思えるほどの内容となっています。

 さすがに,学校の先生方も,そういう学校給食には力が入ります。そんな給食をこどもたちが楽しんで美味しく食べて欲しいと,心から願っています。

 ところが,先生の熱心な思いにもかかわらず,「嫌いなものがひとつでも」あれば,全く給食が食べないこどももいます。学校にいることさえ,苦痛になるこどももいます。

 先生が言葉で「給食の大事さや美味しさ」を説明しても,たいがいは無駄になります。こどもの給食の時間を伸ばしてでも,食べてもらおうということが起こってきます。そのうちに,泣き出すこどもも出てきます。

 こどもや先生から,つらい給食のようすを聞いた親はどうすればいいのでしょうか。
 給食に対して思いが「熱心すぎるような先生」に対しては,親は「無理じいをしないで下さい。」とお願いすればいいでしょう。もうそれだけですね。

 近年,食べ物へのアレルギー反応を示すこどもも多くて,学校は丁寧に給食の問題に対応しています。アレルギーでなくても,特定の食べ物にこどもが拒否をすれば,いくらでも学校は配慮をしてくれます。

 給食が嫌で不登校になる必要はないのです。食べることができない給食ならば,親の手造りの弁当を持っていけばいいのです。昼食を食べに帰宅してもいいのです。

 親から担任の先生や管理職の先生に相談を持ち掛けて下さい。こどもの給食について,こどもがしんどい思いをしないように,何ができるかを話合えばいいのです。

 特定のこどもを給食で特別扱いすると,「クラスの他の児童がどう思うか心配だ。」という先生がおられたら,先生の仕事を放棄されたようなものです。大丈夫です。



親の相談室(登校を渋るこどもに言葉掛けのコツはあるの)2023.3.1


 晴れの日には,陽ざしが春めいてきました。
 現在小中高等学校の卒業式での「マスク」が話題となっています。
 卒業生は,マスクなしで式に参加できるということですが,校歌斉唱などの合唱のときはマスクをしなければならないとのことです。
 在校生や卒業生の保護者は,ずっとマスクをしている必要があるようです。

 卒業式の混乱を避けるためのルールは必要でしょうが,マスク自体に話題が集中してしまい,「大事な儀式(イニシエーション)の意義や考え方など」がなおざりにならないか心配です。

 それから,マスコミの扱いが随分と減ってきたのですが,プーチンロシアのウクライナ侵略が224日で,まる一年を迎えています。ロシアの退却や和平条約の締結に向けての交渉が水面下でも行われていますが,目途が立ったような話は依然として出てきていません。

 ところで,初めてお会いした保護者から,「登校を渋るこどもに,どう言葉掛けをすればいいのか,コツを教えて欲しい。」という質問を受けることが多くあります。

 おそらく,声を掛ければ,登校してくれるような「魔法の言葉」を期待されておられるのですが,そう簡単にはこどもは登校してくれません。

 一般的には「魔法の言葉」はないのですが,心を込めた言葉が「魔法の言葉」になるかと思っています。それは,こどもが「安心できる言葉」ではないでしょうか。

 とってつけたような「登校しなくてもいいよ。」という言葉ではありません。「登校しなくても,何も起こらないよ。」という言葉の方がいいかもしれません。

 こどもが休み始めた頃は,親から「将来の不安や叱責」を浴びることになります。そのままに親の不安を吸収してしまいます。学校の先生も同じような話をされることがあります。

 「社会は学校よりも大変であり,学校でさえ行けないようでは,将来やっていけない。」と刷り込まれます。それが,将来に渡っての「引きこもり」を誘発します。かつては,不登校を「学校恐怖症」と言った時代があり,その状態そのものです。

 こどもの「登校への不安」の程度にもよりますが,「登校しなくても,大変な状況にはならないよ」という言葉掛けが,「登校への近道」になることが多いです。

 友人関係のこじれや学習への不安から,学校が怖くなって,徐々に登校を渋り,登校できなくなります。対人関係や学習への不安の緩和を意識することが求められます。

 確かに,「叱責」で登校できるこどもがいますが,その「叱責」で登校できなくなるこどもが多く存在します。

 こどもが登校できなくなった時に,さりげなく「登校刺激」をして,無理ならば,そこでこどもの「不安な心」に向かい合い,「今は,登校しなくても,大変な状況にならないよ。」という言葉掛けをしてもいいかと思っています。
 それが登校への「言葉掛けのコツ」でしょう。

親の相談室(こどもが思春期かも親を厳しく批判する)2023.2.1


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24日の夕方に10年に一度という大雪が京都南部を襲いました。強烈な台風のような風雪でした。しばしば北海道で話題になるようなホワイトアウトをイメージするような雪が舞いました。

 京都駅の改札口の混乱やホームに舞う上がる雪のようすがニュース報道されていました。鉄道や道路などの交通網もマヒ,日常生活に大きな混乱をもたらしました。

 ウクライナ侵略では,欧米から戦車を供与されるとのことが話題になっています。ロシアは,その供与に対して「危険なことだ。」と発表しています。ますます長期戦化の様相となってきています。

 新型コロナでは,マスクをどうするかということが話題になりつつあります。また,感染症基準を季節性インフルエンザ扱いにまで下げることを政府が決定しました。

 ところで,「一生懸命に子育てをしてきたのに,こどもが思春期なのかもしれないが,厳しすぎると親を批判する。」あるいは「親としては失格だ。」と言われる。「こんなことは心外だ。こんな悲しいことない。」と嘆かれることがあります。

 こどもは,親のどのようなことを「厳しい」,「失格だ」と批判しているのでしょうか。

 特に思春期(早いこどもで10歳ぐらいから始まる)に入ったこどもは,今までのこども自身の人生の振り返りを行います。親からどう育てられてきたかを考えて,改めて今後の人生を考えます。親に対して,強烈に抵抗したいような感情を持つことがあります。

 親のある「愛情の姿勢」に抵抗を示すことがあります。
 親の「子育ての愛情の姿勢」には,2つあるかと思っています。「条件付きの愛情の姿勢」と「無条件の愛情の姿勢」ですね。

 前者の方が「こども自身が追いこまれる苦しさやしんどさ」から,「親が厳しい」と批判が出やすくなります。この親の「条件付きの愛情の姿勢」に,こどもが抵抗を示す傾向があります。

 「条件付きの愛情の姿勢」とは,「成績が良いから愛しているよ。」「親の言うことを聞くなら愛しているよ。」「人よりも優れていれば愛しているよ。」等の条件を付けて,クリアできれば「愛してあげる」という姿勢です。

 これを聞いて,我が家は「条件付き」はしていないという親は多いことでしょうが,実際には「言葉」だけでなく,親の「表情」や「動作」に,こどもは敏感にみて,感じているものです。
 親の言葉よりも,むしろ親の「表情」や「行動」の方をこどもたちはみていることが多いでしょう。

 「条件付きの愛情で育つ」と,人との競争を重視することになり,自己肯定感が育ちにくくなります。こども本人自体の成長を楽しむよりも,他者との比較で人生を歩むことになってしまいます。これでは,敵をつくる機会が多く,人生が辛くなります。

 基本的には,親の愛情は「ほどよくあればいい」と考えています。また,こどもが成長するにつれて,徐々に「親ばなれ」「子ばなれ」を意識することも大事だと思っています。

 無理なく,ほどよく「無条件の愛情」をこどもにどう注げばいいのかをこの機会に考えてみませんか。1ヶ月もしないうちに,こどもの笑顔を見ることが増えるかもしれません。

親の相談室(こどもがいじめを受けているかもしれない)2023.1.1


 明けましておめでとうございます。
 こども相談室を開設して,3年目を迎えようとしています。ずっと,皆さまにはお世話になり,感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。本年も昨年同様によろしくお願いいたします。

 昨年は,ロシアのウクライナ侵略や,安倍首相の暗殺と旧統一教会の問題などの衝撃的な事件が起こり,新型コロナの感染者拡大のパンデミックの課題も今なお継続しています。

 昨年の清水寺の言葉は,「戦」となりました。決して嬉しくない言葉ですね。今年は,そのようなネガティブな言葉でなく,「心」「和」などの穏やかな言葉を象徴するような年になって欲しいですね。

 ところで,「こどもがいじめを受けているかもしれない。どうすればいいのか。」という悩みを抱える親の相談が相当数あります。
 親がこどもに「最近元気がないけど,何かあったの。」と聞いても,こどもは「別に」というだけで,いじめを受けていることを訴えることはあまりありません。

 こどもによっては,親が「いじめがあったの。」と聞くと一気にいじめを話すことがありますが,親に心配を掛けないように,こどもが「気にしていないような素振りをする。」ことも少なくありません。

 しんどい気持ちを抱えたままに,こども自身の中でこの状況を終えようとします。自力でうまく乗り越えることができればいいのですが,その後に「悔しさや恐怖のような人間不信といった感覚」を抱え続けることも出てきます。決して良いことではありません。

 せっかくの希望ある人生に影を抱えてしまいます。
 こどもに元気がないのは,たいていは,舞台は学校や塾です。塾はやめればいいのですが,学校はそうはいきません。

 まずは,学校の先生に「人間関係はどうですか。なにかありましたか。」と聞くことです。先生から「いえ,楽しそうにしていますよ。」と言われたならば,「最近元気がないので,ようすを見ていて下さい。」とお願いすればいいのです。

 いじめ問題は,文科省でも最重点項目の扱いになっており,先生方がいじめと認識すれば,学校全体の大きな問題として,全力で対応してもらえます。

 いじめは,思わぬタイミングで起こります。また,仲間間で順番にいじめの対象になることもあります。ヒエラルキー(階層)といって,こども間に長年継続してきた序列からのいじめもあります。

 一旦いじめが起これば,4層構造(いじめの当事者同士,はやしたて,無関心層)の当事者以外の層が,自身をいじめから守るために,いじめる側に加担することもあります。

 こどもに元気がないなと思ったときは,まずは本人にようすを聴いてみて,次に学校の先生に相談して下さい。必ず,相談に乗ってもらえます。

 もし,学校の先生にいじめを理解してもらえないようなときは,教育委員会の機関(学校指導課や教育課,私学なら文教課など)へ直接に問い合わせていいかと思っています。

 いまどき,いじめ問題を対応しないような学校や教育委員会はないのですが,残念ながら裁判やマスコミを巻き込むようないじめも起こっています。

 是非とも,学校でのいじめの状態を的確にとらえることができる「先生方」の前向きな姿勢と取り組みを期待したいですよね。


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