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2023年1月~12月

親の相談室(こどもが仲間はずれにあって辛そうにしている)2023.12.1


 もともと「衣替え」というのは,季節に応じて夏服(6月)や冬服(10月)に変わることを言っているのですが,温暖化で「衣替え」の季節感がずれつつあります。

 「暑すぎる夏」を乗り越えたと思うといつまでも暑く,寒くなったと思えば,暑くなることの繰り返しです。体調不良から,インフルエンザや風邪などにかかる人も増えていますね。

 「イスラエルとハマスの地域紛争」も,一部の人質を解放から,一時的な停戦も見られます。しかしながら,歴史的な対立もあり,平和的解決や停戦にはほど遠いのでしょうね。

 さて,こどもにとって,恐ろしいことはなんでしょうか。「親を失うこと」と,「友だちを失うこと」,「仲間外れにされること」でしょう。

 こどもでも,大人でも,「友だち」や「仲間」は大事な存在でしょう。「人間関係」に飽き飽きしたという人もいますが,それがどれだけの本音でしょうか。

 匿名の相手の「ゲーム」や「SNS」に,多くのこどもたちが救われてきました,
 しかし,結論から言えば,本質的に大事なのは,「直接の人との交流」ではないしょうか。友だちや仲間との「生の交流」ですね。

 「人」を癒せるのは,「人」しかないのです。
 不条理な「仲間はずれ」でない限り,こどもへは,「頑張れ」とかいった「叱咤激励」の言葉よりも,「辛いね」という気持ちの「共感」がいいのではないでしょうか。

 余談になりますが,最近姪(以下,親)が息子を亡くしました。釣り好きなその息子は,親元を離れて,漁師になって4年目のことでした。年は,20代の前半です。

 死因は,「急性アルコール中毒」でした。当初,酒の強い「漁師仲間」からの「酒の強要」と思っていたのですが,そうではなかったのです。

 息子亡くなった連絡を受けて,親が漁師町にすっとんで行ったのですが,「漁師仲間」の「手厚い介抱」にもかかわらず,「不本意の結果」になったとのことでした。

 「漁師仲間」による「葬式」や「四十九日」があり,漁師町にあるお寺に「漁師仲間」による「納骨」の運びとなりました。生前の息子がどれだけ「漁師仲間」に大事にされていたかを知ることができました。

 「息子の死」は,どれだけ「恐ろしいことか」はかり知れません。これほどの恐ろしい経験を「漁師仲間」の温かさによって,親は乗り越えるきっかけを得ることができました。

 結局は,「人」を癒せるのは「人」でしょう。「人」との生の交流は,「人」に安らぎをもたらしてくれます。

 「仲間はずれ」は辛いことですが,辛いと思うことは「仲間」や「人」との交流を求めていることですものね。

親の相談室(「不登校」を理解していない市長っているの)2023.11.1


 朝晩は冷えていますが,過ごしやすい気候となってきました。晴れた日は,空も青く,1年でも,最もすがすがし気持ちになれそうです。

 にわかに,中東地域で,不穏な動きができています。ガザ地域の「ハマス」のテロをきっかけに,イスラエルがパレスチナ自治区に,軍が侵攻するという事件が起こっています。

 こどもを含む,多くの命が失われています。長い歴史の民族の対立あるとはいえ,許すことのできない無益な殺戮がなされています。

 ところで,東近江市長の「フリースクールを認めることが国家の根源を揺るがす」「不登校は,親の責任である」という発言が話題になっています。

 そんなことを言っている市長が存在していることに驚いています。その意見自体が,「国家や地方自治体の根源」を揺るがしています。

 マスコミやフリースクール団体協議会から,意見を求められても,「問題提起」であったとか,「言葉足らず」であったと「言い訳」繰り返して,正式な「謝罪」はなされていません。

 おそらく,市長は「自分の意見」への世間の反響にはとても驚いたのでしょうが,「不登校」に関しての彼の強い「持論」があり,決して揺るぎはしていないのでしょう。

 しかし,「不登校」を理解できない人は,一定数はおられるかと思っています。「不登校」そのものを考えたことのない人や,「権力」を優先する人などは,「不登校」の本質は理解することはできないかもしれません。
 そのような人は,親やこどもの「不登校」の痛みを理解することも難しいかもしれません。

 厳しい言い方をすれば,人や事象を「多面的」にとらえることができずに,他者の違う意見を受け入れる「柔軟性」が欠如していると考えてしまいます。

 人の意見を取り入れて,深く物事を考えて,「思考を深める」機会を逃してきたのでしょうね。

 「不登校」への考えや姿勢で,端を発した市長のこの「言葉」は,自身の「人間性の浅さ」を露呈してしまいました。人に対しての「人権意識の希薄さ」をも露呈しています。

 市長は,即刻に辞任するか,次の市長選挙には出馬しないことですね。市長は,一定の権限を持っているわけで,このような人に市政を任せておけません。

 市長は,改めて自分自身を振り返り,しっかりと「心から反省」しないと,地域の人々の「厳しい意見」にさらし続けることになるでしょう。

 ちなみに,このような市長の下では,こどもや親への「適切な相談業務」はありえないでしょうね。残念ですけど。

親の相談室(こどもが友だちとすぐにケンカをしてしまう)2023.10.1


 今年の夏は,「記録的な暑さ」が継続していましたが,やっと,朝夕が過ごしやすくなってきています。

 しかし,昼夜の「気温差」から「体温の調整」が難しくなっていますね。そんな中,「コロナ」と「インフルエンザ」の同時感染も,数多く報告されています。

 相変わらず,「福島の原発処理水」への「中国の批判」は厳しく,日中の漁業関係の経済交流も阻害されつつあります。
 また,「ロシア」と「北朝鮮」の接近による「核不安」が,高まりつつあります。「国際平和」の実現は,遠のくばかりです。

 しかしながら,「アジア大会」や「ラグビーワールドカップ」の盛り上がりと,日本選手の活躍が数多く報告されています。
 こんな明るいニュースは,心を和ませてくれます。

 さて,親の困りごとに,「こどもが友だちと頻繁にケンカをする。学校の先生から呼び出しを受けることもある。いくら言っても,治らない。どうすればいいのか。」ということがあります。

 人間関係の「ささいなすれ違い」から始まる「人間関係のトラブル」なのですが,そんな「ケンカ」について,「思い」を述べていきます。

 相手から「ケンカ」を売られることも,こちらから「ケンカ」を売ることもあります。「ケンカ」は,「相手が悪い」ということが前提にあるので,すぐには収まりません。
 相手を「許せない」大きな「怒り」にまで,すぐに高まっていきます。

 こんな時の相手への「怒り」や「イライラ」は,「制御」が不可能ですね。そうなっては,ならないのです。

 だからなのですが,まずは,日常に「ケンカ」をしない気持ちを持つことです。
 「ケンカ」の前に,自分で「ストップ」を掛けるわけです。「ケンカ」する前に,「深呼吸」をします。この「間合い」は,とても大事です。

 それから,相手に「イライラ」や「攻撃」などを「投げれば必ず戻ってくる。」という考えを持つことですね。相手に,攻撃を投げれば,必ず戻ってきます。戻ってくると,また投げ返します。
 もう「悪循環」が繰り返されて,「エンドレスの戦い」となってしまいます。

 どうしても,こちらの「思い」を相手に伝えたいときは,「アサーション(自己主張)」という手法があります。言いかえれば,「さわやかな主張」です。

 どうしても,相手にネガティブな「思い」を伝えたいときに,こちらの「自分自身の辛い気持ちを伝えること」に徹するのです。
 相手の「人格攻撃」「人格否定」をすることは,絶対にさけなければなりません。相手の「行為」の指摘もできるだけ避けたいですね。

 さて,本題であるこどもの「ケンカ」へ対処は,どうすればいいのでしょうか。
 まずは,こどもの「言い分」を聴くことから始めて,こどもの「思い」をしっかりと受け止めることです。こども自身の「内省」を促すのです。つぎに,相手の「思い」を,こどもと一緒に考えることです。

 こどもに「ケンカ」の「しんどさ」を話せるようでしたら,親の言葉で,その「しんどさ」を説明しても良いのです。誰しも「ケンカ」の経験はあることでしょう。「後味の悪さ」を伝えてもいいですね。

 あと,平素から,相手をむやみに攻撃しない「心がけ」や「対応」をしてみませんか。親自身がそんな「実践」すれば,徐々にこどもが変わってくるはずです。

親の相談室(こどもが友だちが欲しいという)2023.9.1


 今年も,厳しい暑さでしたが,あと,もう少しのガマンでしょうか。それにしても,涼しい秋が待ち遠しいです。

 最近は,コロナの話題がめっきりと少なくなってきました。

 福島の原発の処理排水放出が話題になっています。特に,中国からの嫌がらせのSNSが問題になっています。
 「福島」というキーワードの検索からでしょうか,役所やホテル,旅館等に,嫌がらせの電話が頻繁に入っています。
 
 欧米は処理水の安全性を認めているにも関わらず,中国政府は,処理水の危険性を強硬に訴えています。
 政治的な背景があるのでしょうが,日本の水産物の輸入を全面ストップとしました。

 国境を越えて,SNSの嫌がらせにもかかわらず,中国政府は放任しているようすです。
 中国政府のその政策が,日本と中国国民にとって,国交や経済活動からみても,決して良くないのは明白なことでしょう。

 ところで,親から,「こどもに友だちがいない。どうすれば,友だちができるのでしょうか。」という質問を受けることがあります。

 ふと思うのですが,不登校児童・生徒ならば,「不登校であるから友だちができないのか。」あるいは「友だちができないから不登校になったのか。」などと考えています。

 前者もあるし,後者もあるかと思っています。「学校」が友だちをできる最大の機会となっています。友だちの存在は,大事なのですね。

 特に,小学校低学年では,教室の席が「たまたま」近いかなどが影響します。
 高学年や中学校からでは,「趣味」や「部活動」などの影響を受けやすくなってきますが,それでも「たまたま」の「出会い」の要素は大きいのですね。

 「出会い」の場が多い方が,友だちができる確率は高くなってきます。危うさはありますが,「スマホ」や「PC」を扱えるようになると,その機会が飛躍的に広がってきます。
 
 ここから本題になるのですが,心理学的に言えば,友だちが多いこどもは,「聴き上手」であるかと思っています。

 相手の話を聴いて,「反応」が上手なのですね。そういうこどもには,こどもが集まってきます。
 そんなこどもは,「感情表現」が豊かです。

 どういうことかといいますと,「ああ,そう。」「うんうん。」「すごい。」という「感情表現」の「返しの言葉」を使うのが上手です。

 実は,「あいうえお」とか「さしすせそ」には,ヒントになりそうな「表現の言葉」が見受けられます。

 「あ」→ああそうなん。「い」→いいね。「う」→うんうん。「え」→えー。「お」→おー。「さ」→さすが。「し」→しらなかった。「す」→すごい。「せ」→センスいい。「そ」→そうそう。などですね。

 会話のときに,相手の話を受けて,肯定的な「返しの言葉や感情」が表現できればいいのです。自分なりに「使いやすい言葉」で表現すればいいのですね。

 この「あいうえお」と「さしすせそ」の応答は,「傾聴」するためのひとつの手段ともなっています。「傾聴実習」でも,使われる技法です。

 いきなり,親がこどもに,友だちをつくるために「これらの言葉」を教えることはできないでしょう。しかし,親が,これを家で実践すればいいのですね。

 張り切って「頑張りすぎれば疲れる」技法ですので,無理のない程度に,実践してみて下さい。こどもとの対話に「あいうえお」「さしすせそ」を意識すればいいのです。

 結果として,親にも,友だちが驚くほど増えてくることでしょう。

親の相談室(コロナが終わったのにどうして登校しないの)2023.8.1


 暑い日が続いています。それにしても暑すぎます。
 「地球温暖化」が言われて久しくなりますが,「地球沸騰化」という言葉さえも出てきました。

 先日ユニバーサルスタジオ(以下USJ)に行く機会を得ました。
 日中の気温が40度近いUSJでは,スタッフもゲストも,ほとんどマスク姿を見かけませんでした。また,海外から来日された方も多く見受けました。
 まさしく,マスクとコロナ禍からの解放であり,辛い暑さにもかかわらず,爽快な気分でした。

 さて,こどもたちは,夏休みを迎えています。自由を楽しんでいることでしょう。学校に登校しなくてもいい喜びをかみしめているこどもは多いことでしょう。

 さて,コロナ過では,「コロナが怖い」と言えば,登校を強要されないこともしばしばありました。「不登校のお墨付き」をもらえたのですね。

 親も,コロナだからと「登校刺激」も抑えていました。コロナから解放された今,一気に親の「登校刺激」が始まっています。

 こどもは,学校を休む口実として「コロナ」が使えなくなったのです。改めて,別の理由を考えています。
 友だち関係のこと,先生のことなど,身近な人との関係がしんどいとか嫌だとかですね。あるいは,こども自身の体調のしんどさを訴えることもあります。

 確かに,学校に行きたくないという理由は,「あと付け」が多いのではないかと考えています。

 親は,「コロナ」が終わっても登校しないもしれないと「覚悟」していても,いざ登校しないとなれば,「約束が違う」と納得できません。

 しかしながら,一見元気にしていても,こどもは不登校であることへの「後ろめたさ」を持っています。こどもの「心」が消耗していることもあります。

 これからも,「登校しない理由」を考えつつ,こども自身も不登校でいることを気にしています。登校している同級生を意識して,「不安」や「うしろめたさ」を抱えています。

 親は,こどもの変化する「理由」を聴き続けるのは大変です。
 しかし,こどもが「理由」を訴えることは,「登校しようというエネルギーを蓄える」一番の手段であると思っています。
 こどもの「自己表現」のひとつでもあるわけです。

 聴ける範囲でいいので,こどもの不登校の新しい「言い分」をちょっとでいいので聴いてみませんか。
 しんどいことでしょうが,学校に行く「手だて」をこどもと一緒に考えてみませんか。

 それが,こどもに「登校のためのエネルギー」が充電される機会となることでしょう。

 

親の相談室(こどものために離婚してもいいですか)2023.7.1


 さて,蒸し暑い日が続いています。梅雨が明けると,また猛暑が始まるのですね。  
 コロナ禍から解放されて,宇治橋周辺での人の多さが目立ちます。海外からの旅行者が多いようすです。
 ワグネルのプリゴジン氏がロシア軍部を批判して,ロシア国境を越えて,モスクワに向かうことがありました。
 ウクライナ侵略が解決に向かう足がかりのなるかと見守っていましたが,すでに収束しています。残念です。

 ところで,「初回の面接」で,親が「こどもや家庭の事情」を話したあとに,「こどものために,離婚した方がいいでしょうか。」という質問を受けることがあります。

 すでに「別居」や「家庭内別居」の状態にあり,袋小路に入り込んでおられるのですね。
 
 確かに,「初回の面接」では,通常の倍の時間を掛けて,「こどもの成育歴」,「家族のようす」を聴かせて頂きます。このカウンセラーに「離婚の判断」を任せたいという気持ちがわいてくるのでしょう。

 カウンセラーは,「共感」はしても,「意見」を述べることはありません。

 親は,離婚を「こどもの判断」をゆだねることもあります。または,「こどもの存在」を理由とされることもあります。こどもが「判断」したとか,こどもが「存在」しているとかで,離婚の判断材料にされることがあります。

 こどもたちは,よほどのことはない限り,「両親が仲良く過ごしてほしい」と願っています。

 あくまでも,離婚は「夫婦の問題」として,「親の責任」で行って欲しいと思っています。もちろん,「こどもの存在」は無視することはできないのですが,離婚の理由は「夫婦の関係」でしょう。

 「こどもがいるから離婚ができない」ということも聴きますが,「こどもがいた」からこそ,結婚生活をここまで継続できたのですよね。

 ちなみに,「ライフイベント」で,「ストレス」をみる「社会的再適応評定尺度(ホームズら,1967)」というのがあります。
 その「ストレスポイント」では,「配偶者の死」が100と最高値を示しています。「離婚」が73,「夫婦の別居」が65,「結婚」が50となっており,「夫婦のこと」が上位を占めています。

 参考に「親近者の死」が63,「怪我や病気」が53,「失業」が47など,いろいろな指数がありますが,「夫婦のこと」が「ストレスの負担」が大きいことを示しています

 改めてですが,離婚を「夫婦の問題」として考えてみませんか。

親の相談室(こどもが人質みたいで先生に遠慮してしまう)2023.6.1


 先日近畿地方も例年になく早い「梅雨入り」となりました。
 その分早く梅雨明けとなって欲しいのでが,そうはいかないのでしょうね。

 ロシアのウクライナ侵略も,今か今かと終結を待っているのですが,いっこうに進展する気配は見えません。北朝鮮も,より性能の高いミサイルの発射実験がなされており,531日の朝には,沖縄地方に「Jアラート」がなっています。戦争のない平和な社会の実現は,先の先ですね。

 しばしば,保護者から「学校では,こどもが人質のように思ってしまい,先生方に遠慮して,思っていることを何も言えない。」と聞きます。
 確かに,親にとって,こどもをずっと学校に預けているので,「こどもが先生に冷たくされたらどうしよう。成績を下げられたらどうしよう。」と,思うのは当然のことでしょう。

 先生方にとっても,「こどもたちに好かれたい,保護者とも,友好的な関係を保っていたい。」と考えています。楽しい「授業」を心がけ,安全で充実した「行事」や「クラブ活動」を目指します。こどもたちの「笑顔」を思い浮かべながら,それらの準備に時間を費やします。

 また,「休憩時間」も,こどもたちが不平等感を抱かないように,できるだけ多くのこどもと「会話」を交わします。帰宅後も,ずっと「こどもたちのこと」を考えています。

 おそらく,親やこどもたちが思っている以上に,先生方は「こどもたちのこと」を考えています。それが「教育者」としての大事な「自覚」や「誇り」にもつながっています。

 親が,先生に「遠慮して何も言えない。」というのは,「杞憂(きゆう)」であるかと思っています。遠慮はいらないのですね。

 ただ,いまだに,先生方の労働時間は長くて,疲労やストレスを日々重ねています。先生自身も気づかないうちに「うつ」を発症されていることも多くあります。

 こどもが通学している学校でも,いつのまにか先生が休まれて,代わりの先生が来られていることが結構あるかと思います。人は,疲れていると,多少は「うつ」っぽくなります,怒りぽっくもなります,また反応も少なくなります。

 しかし,先生方にとって,保護者やこどもたちとの「良好な関係」が最良の「刺激」であり,元気への「お薬」にもなります。先生をもっと働かせることになってしまいますが,先生方の「精神の安定」を考えれば,それがこの上ない「心のケア」となります。

 こどもが「人質」ということは考えずに,先生に相談を持ち掛けて,一緒に考えることが大事ではないでしょうか。相談内容が少々の「クレームの内容」を含んでいても,先生方は喜んで相談に乗ってくれるでしょう。

親の相談室(クラスや担任の先生はどのように決まるの)2023.5.1


 若葉の頃を迎えて,山の新緑に温かさを感じます。過ごしやすい「季節」となりました。決して長く続かない,「爽やか日」をめいっぱい楽しみたいですね。
 「訪日客(インバウント)」も,「新型コロナ」前の水準にまで回復をしているそうです。マスクをつけない人も,街中に自然と溶け込んでいます。
 いよいよ,「コロナ」も,インフルエンザや風邪に近い扱いとなってきました。このことは,人々の3年間の「踏ん張りの成果」でしょうね。

 さて,新学期が始まって,一ヶ月近くなっています。新しい「クラス」になじんで,楽しく過ごしている児童や生徒は多いことでしょう。

 誰とクラスメートになるか,新しい担任はどんな先生になるか,期待と不安で,「始業式」を迎えていました。
 親やこどもにとって,誰と同じクラスになるのか,誰が担任になるのか大きなことだったでしょう。

 クラスメートや担任の先生しだいで,毎日が「楽しくなる」か「そうでなくなる」かが決まってきますものね。「天と地の差」はあるかもしれませんね。
 「クラス」が,学校生活の中心となります。「クラス」が楽しくなければ,学校が面白くなくなります。もちろん登校を渋ることも出てきます。

 不登校やいじめを受けた経験のあるこどもにとっては,受け皿である「クラスが温かいか」,「担任の先生が優しいか」は,死活の問題です。

 親も,懇談会や家庭訪問などで担任の先生と会うことになります。もちろん,親同士の付き合いも,こどもの「クラス」に影響を受けます。

 ところで,次年度の「クラス分け」は,いつ,どのようにしてされるのでしょうか。
 「クラス分け」の作業は,今の学年の先生が中心となって,3月の春休み前の数日間でなされます。「指導性」,「問題性」,「成績」などを短冊に書いて,分けることになります。

 事前に,親から同じクラスにして欲しいといった「友だち希望」があれば,クラス分けの「資料」として扱います。また,「支援」を要するこどもへの配慮も,決して忘れることはありません。
 これらの「クラス分け」の作業は,先生方の大きな仕事の一つです。

 4月になって,最初の職員会議で,「新しい学年の先生」が決まります。そのあとの学年会で,誰がどの「クラス」を担当するかを相談していきます。

 最終的に,男女比,旧クラス比,配慮生徒などを検討して,「クラス」や「担任」が決定されます。
 すぐに,「クラス発表」のための用紙に,名簿順に名前を清書する作業となります。

 年度途中の「クラス替希望」は,聞いてはもらえることはありえませんが,新学年の「クラス分け」のタイミングでの「友だち希望」や「担任要望」などは,「考慮」してもらえる可能性はあります。

 「友だち希望」は,3月中旬ぐらいまでに,親から,担任や管理職の先生にお願いすればいいでしょう。「希望する担任」や「苦手な担任のタイプ」を伝えることもこの頃がいいですね。

 学校に親やこどもの希望を,思い切って伝えることができれば,しっかりと「考慮」してもらえるでしょう。学校の実情からみて,どうしても無理な場合は,「クラス発表の前」に,事前に学校から連絡が入るはずです。

 学校は,こどもが「楽しく元気に登校してくれること」を望んでいます。これは,最も大きな「学校教育目標」です。その実現にむけて,できうる限りの「配慮」や「協力」は必ずしてもらえます。

親の相談室(給食で登校を嫌がるがどうすればいいの)2023.4.1


 この4月で,こども相談室がまる3年を迎えました。感謝の気持ちでいっぱいです。心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 ところで,3月はWBCでは,日本国中が盛り上がりました。サッカーのワールドカップと規模こそ違いますが,大谷翔平らの活躍で,準決勝ではメキシコ,決勝ではアメリカを破り,14年ぶりに優勝しました。そのときの感動の余韻がいまだに残っています。

 新型コロナで必要とされたマスクも,野外では自由となりました。確かに,街中でもマスクなしの方々を見かけるようになりました。学校でも,マスクを具体的にどうしていくか議論がなされています。コロナから解放される喜びを感じます。

 さて,不登校の相談の中に,「給食が嫌で登校できないがどうすればいいのか。」という質問がよくあります。中には,「給食ぐらいで,どうして登校ができないのか思うが,こどもの深刻な問題のようすに驚いている。」ということも聞きます。

 学校教育では,給食は「食育教育」といって,とても大きな位置づけとなっています。教育委員会の事務局には,給食担当の指導主事も設置されています。各学校には,栄養を担当する教諭も設置されています。

 成長期にあるこどもの健康と体格を配慮して,理想的な調理を目指しています。各家庭では実現が不可能なぐらいの「栄養のバランス」を追求しています。

 給食のバリエーションや美味しさも検討されて,地域の特色を生かしたメニューもあります。現在では,親の世代から見ても,羨ましいと思えるほどの内容となっています。

 さすがに,学校の先生方も,そういう学校給食には力が入ります。そんな給食をこどもたちが楽しんで美味しく食べて欲しいと,心から願っています。

 ところが,先生の熱心な思いにもかかわらず,「嫌いなものがひとつでも」あれば,全く給食が食べないこどももいます。学校にいることさえ,苦痛になるこどももいます。

 先生が言葉で「給食の大事さや美味しさ」を説明しても,たいがいは無駄になります。こどもの給食の時間を伸ばしてでも,食べてもらおうということが起こってきます。そのうちに,泣き出すこどもも出てきます。

 こどもや先生から,つらい給食のようすを聞いた親はどうすればいいのでしょうか。
 給食に対して思いが「熱心すぎるような先生」に対しては,親は「無理じいをしないで下さい。」とお願いすればいいでしょう。もうそれだけですね。

 近年,食べ物へのアレルギー反応を示すこどもも多くて,学校は丁寧に給食の問題に対応しています。アレルギーでなくても,特定の食べ物にこどもが拒否をすれば,いくらでも学校は配慮をしてくれます。

 給食が嫌で不登校になる必要はないのです。食べることができない給食ならば,親の手造りの弁当を持っていけばいいのです。昼食を食べに帰宅してもいいのです。

 親から担任の先生や管理職の先生に相談を持ち掛けて下さい。こどもの給食について,こどもがしんどい思いをしないように,何ができるかを話合えばいいのです。

 特定のこどもを給食で特別扱いすると,「クラスの他の児童がどう思うか心配だ。」という先生がおられたら,先生の仕事を放棄されたようなものです。大丈夫です。



親の相談室(登校を渋るこどもに言葉掛けのコツはあるの)2023.3.1


 晴れの日には,陽ざしが春めいてきました。
 現在小中高等学校の卒業式での「マスク」が話題となっています。
 卒業生は,マスクなしで式に参加できるということですが,校歌斉唱などの合唱のときはマスクをしなければならないとのことです。
 在校生や卒業生の保護者は,ずっとマスクをしている必要があるようです。

 卒業式の混乱を避けるためのルールは必要でしょうが,マスク自体に話題が集中してしまい,「大事な儀式(イニシエーション)の意義や考え方など」がなおざりにならないか心配です。

 それから,マスコミの扱いが随分と減ってきたのですが,プーチンロシアのウクライナ侵略が224日で,まる一年を迎えています。ロシアの退却や和平条約の締結に向けての交渉が水面下でも行われていますが,目途が立ったような話は依然として出てきていません。

 ところで,初めてお会いした保護者から,「登校を渋るこどもに,どう言葉掛けをすればいいのか,コツを教えて欲しい。」という質問を受けることが多くあります。

 おそらく,声を掛ければ,登校してくれるような「魔法の言葉」を期待されておられるのですが,そう簡単にはこどもは登校してくれません。

 一般的には「魔法の言葉」はないのですが,心を込めた言葉が「魔法の言葉」になるかと思っています。それは,こどもが「安心できる言葉」ではないでしょうか。

 とってつけたような「登校しなくてもいいよ。」という言葉ではありません。「登校しなくても,何も起こらないよ。」という言葉の方がいいかもしれません。

 こどもが休み始めた頃は,親から「将来の不安や叱責」を浴びることになります。そのままに親の不安を吸収してしまいます。学校の先生も同じような話をされることがあります。

 「社会は学校よりも大変であり,学校でさえ行けないようでは,将来やっていけない。」と刷り込まれます。それが,将来に渡っての「引きこもり」を誘発します。かつては,不登校を「学校恐怖症」と言った時代があり,その状態そのものです。

 こどもの「登校への不安」の程度にもよりますが,「登校しなくても,大変な状況にはならないよ」という言葉掛けが,「登校への近道」になることが多いです。

 友人関係のこじれや学習への不安から,学校が怖くなって,徐々に登校を渋り,登校できなくなります。対人関係や学習への不安の緩和を意識することが求められます。

 確かに,「叱責」で登校できるこどもがいますが,その「叱責」で登校できなくなるこどもが多く存在します。

 こどもが登校できなくなった時に,さりげなく「登校刺激」をして,無理ならば,そこでこどもの「不安な心」に向かい合い,「今は,登校しなくても,大変な状況にならないよ。」という言葉掛けをしてもいいかと思っています。
 それが登校への「言葉掛けのコツ」でしょう。

親の相談室(こどもが思春期かも親を厳しく批判する)2023.2.1


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24日の夕方に10年に一度という大雪が京都南部を襲いました。強烈な台風のような風雪でした。しばしば北海道で話題になるようなホワイトアウトをイメージするような雪が舞いました。

 京都駅の改札口の混乱やホームに舞う上がる雪のようすがニュース報道されていました。鉄道や道路などの交通網もマヒ,日常生活に大きな混乱をもたらしました。

 ウクライナ侵略では,欧米から戦車を供与されるとのことが話題になっています。ロシアは,その供与に対して「危険なことだ。」と発表しています。ますます長期戦化の様相となってきています。

 新型コロナでは,マスクをどうするかということが話題になりつつあります。また,感染症基準を季節性インフルエンザ扱いにまで下げることを政府が決定しました。

 ところで,「一生懸命に子育てをしてきたのに,こどもが思春期なのかもしれないが,厳しすぎると親を批判する。」あるいは「親としては失格だ。」と言われる。「こんなことは心外だ。こんな悲しいことない。」と嘆かれることがあります。

 こどもは,親のどのようなことを「厳しい」,「失格だ」と批判しているのでしょうか。

 特に思春期(早いこどもで10歳ぐらいから始まる)に入ったこどもは,今までのこども自身の人生の振り返りを行います。親からどう育てられてきたかを考えて,改めて今後の人生を考えます。親に対して,強烈に抵抗したいような感情を持つことがあります。

 親のある「愛情の姿勢」に抵抗を示すことがあります。
 親の「子育ての愛情の姿勢」には,2つあるかと思っています。「条件付きの愛情の姿勢」と「無条件の愛情の姿勢」ですね。

 前者の方が「こども自身が追いこまれる苦しさやしんどさ」から,「親が厳しい」と批判が出やすくなります。この親の「条件付きの愛情の姿勢」に,こどもが抵抗を示す傾向があります。

 「条件付きの愛情の姿勢」とは,「成績が良いから愛しているよ。」「親の言うことを聞くなら愛しているよ。」「人よりも優れていれば愛しているよ。」等の条件を付けて,クリアできれば「愛してあげる」という姿勢です。

 これを聞いて,我が家は「条件付き」はしていないという親は多いことでしょうが,実際には「言葉」だけでなく,親の「表情」や「動作」に,こどもは敏感にみて,感じているものです。
 親の言葉よりも,むしろ親の「表情」や「行動」の方をこどもたちはみていることが多いでしょう。

 「条件付きの愛情で育つ」と,人との競争を重視することになり,自己肯定感が育ちにくくなります。こども本人自体の成長を楽しむよりも,他者との比較で人生を歩むことになってしまいます。これでは,敵をつくる機会が多く,人生が辛くなります。

 基本的には,親の愛情は「ほどよくあればいい」と考えています。また,こどもが成長するにつれて,徐々に「親ばなれ」「子ばなれ」を意識することも大事だと思っています。

 無理なく,ほどよく「無条件の愛情」をこどもにどう注げばいいのかをこの機会に考えてみませんか。1ヶ月もしないうちに,こどもの笑顔を見ることが増えるかもしれません。

親の相談室(こどもがいじめを受けているかもしれない)2023.1.1


 明けましておめでとうございます。
 こども相談室を開設して,3年目を迎えようとしています。ずっと,皆さまにはお世話になり,感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。本年も昨年同様によろしくお願いいたします。

 昨年は,ロシアのウクライナ侵略や,安倍首相の暗殺と旧統一教会の問題などの衝撃的な事件が起こり,新型コロナの感染者拡大のパンデミックの課題も今なお継続しています。

 昨年の清水寺の言葉は,「戦」となりました。決して嬉しくない言葉ですね。今年は,そのようなネガティブな言葉でなく,「心」「和」などの穏やかな言葉を象徴するような年になって欲しいですね。

 ところで,「こどもがいじめを受けているかもしれない。どうすればいいのか。」という悩みを抱える親の相談が相当数あります。
 親がこどもに「最近元気がないけど,何かあったの。」と聞いても,こどもは「別に」というだけで,いじめを受けていることを訴えることはあまりありません。

 こどもによっては,親が「いじめがあったの。」と聞くと一気にいじめを話すことがありますが,親に心配を掛けないように,こどもが「気にしていないような素振りをする。」ことも少なくありません。

 しんどい気持ちを抱えたままに,こども自身の中でこの状況を終えようとします。自力でうまく乗り越えることができればいいのですが,その後に「悔しさや恐怖のような人間不信といった感覚」を抱え続けることも出てきます。決して良いことではありません。

 せっかくの希望ある人生に影を抱えてしまいます。
 こどもに元気がないのは,たいていは,舞台は学校や塾です。塾はやめればいいのですが,学校はそうはいきません。

 まずは,学校の先生に「人間関係はどうですか。なにかありましたか。」と聞くことです。先生から「いえ,楽しそうにしていますよ。」と言われたならば,「最近元気がないので,ようすを見ていて下さい。」とお願いすればいいのです。

 いじめ問題は,文科省でも最重点項目の扱いになっており,先生方がいじめと認識すれば,学校全体の大きな問題として,全力で対応してもらえます。

 いじめは,思わぬタイミングで起こります。また,仲間間で順番にいじめの対象になることもあります。ヒエラルキー(階層)といって,こども間に長年継続してきた序列からのいじめもあります。

 一旦いじめが起これば,4層構造(いじめの当事者同士,はやしたて,無関心層)の当事者以外の層が,自身をいじめから守るために,いじめる側に加担することもあります。

 こどもに元気がないなと思ったときは,まずは本人にようすを聴いてみて,次に学校の先生に相談して下さい。必ず,相談に乗ってもらえます。

 もし,学校の先生にいじめを理解してもらえないようなときは,教育委員会の機関(学校指導課や教育課,私学なら文教課など)へ直接に問い合わせていいかと思っています。

 いまどき,いじめ問題を対応しないような学校や教育委員会はないのですが,残念ながら裁判やマスコミを巻き込むようないじめも起こっています。

 是非とも,学校でのいじめの状態を的確にとらえることができる「先生方」の前向きな姿勢と取り組みを期待したいですよね。


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