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以前の記事 親の相談室 2020年8月~

最新の記事 親の相談室(こどもの学級が荒れて登校を渋る)2020.10.11


 学級が荒れていて,こどもが学校に行くのを渋っているが,どうすればいいのかと困っている。担任の先生には言いにくいし,校長先生にも,敷居が高くて言えない。教育委員会はもっと敷居が高い。こどもが安心して,登校してくれればいいのに。

 以前は中学校で学級崩壊が話題となっていました。ここ20年ぐらい前から,小学校の高学年でもこの崩壊が起こっていると話題になってきています。最近は,小学校の3.4年生でも問題となることがあります。

 この大きな問題にどこからアプローチしていけばいいのか迷ってしまいますが,根底には学校の先生の権威の低下ではないでしょうか。先生という「権力」だけでは,やっていけない時代に入っています。学歴も高く教育力を持った保護者に育てられたこどもたちには,命令口調で,とにかく「しなさい」という指示だけでは,通用しなくなってきています。
 先生には「こどもたちが理解し納得するまで説明する」という責任があります。この責任を先生が放棄したときに,担任不信や学校不信が起こってきます。
 
 学級が荒れると,学力の低下はもちろんのこと,こどもたちの心も荒廃してきます。こどもと先生の間の信頼感だけでなく,こども同士の信頼感も弱まってきます。学級には,モデルとなるべき先生が存在せず,こどもの間にも協力から対立関係が顕著になってきます。いじめは横行し,不登校の児童生徒も増えてきます。学級はサバイバル状態となっていきます。

 残念ながら,学級崩壊が起これば,すぐには元の状態に戻らないのが事実です。こどもと先生との人間関係の回復はとても難しいのです。新しい担任を期待するか,学年の変わり目まで待つ覚悟はいります。

 このような学級の状態でこどもが登校を渋れば,どうすればいいのでしょうか。もちろん学校の管理職や教育委員会の先生に相談し協力体制を作っていくことが大事です。 
 同時に,個人的な意見なのですが,こどもに「身体症状があれば,無理をしないでほしい。」といったところです。登校時に,こどもがお腹や頭が痛いとか,微熱があるようなら,是非学校を休ませてください。荒れた人間関係の中に,疲れたこどもを放りこんでも,決して元気になりません。よりひどく心の傷を負わないように「こどもを守ること」を最優先とすべきでしょう。

最新の記事 親の相談室(こどもが夜中に泣き叫ぶ)2020.10.1


 ひょっとすると,大人でも怖い夢を見て,夜中に大きい声を出すことがあります。大人は,ある程度は,見た夢を思い出して,この夢のこのことが原因だったなあと考えることができます。夢を見ていなくても,日常の不安が大きい声に結びついたのではないかと考えます。

 小学校入学前から小学校低学年までの頃に,こどもが夜中に泣き叫ぶことがあります。このことを夜驚症(やきょうしょう)いいます。どんな症状かといいますと,睡眠中に突然起き出し、叫び声をあげるなどの恐怖様症状を示します。概ね数分から十数分間症状が続くでしょうか。夢とは異なり目覚めた時に本人はそのことを覚えていないのが普通です。

 睡眠中枢が未成熟なために起こる症状であると考えられています。成長過程の一時的な症状であり,小学校の半ばぐらいには,自然と夜驚症は見られなくなります。高学年になっても,この症状が続くようでしたら,小児科を訪ねていただいてもいいかと思います。なお,似た症状を示すものでは、入眠時の幻覚、睡眠中の精神運動性てんかん発作などがあります。

 しかし,しばしばこどもが夜中に泣き叫ぶことがあれば,親もこどもも,心身とも疲れてしまいます。夜寝る前に少しでいいので,こどもと一緒に楽しい絵本を見たりして,くつろげる時間をつくることができれば,夜驚症はとても軽減できるでしょう。子供が安心できることを寝る前に習慣的に行うと効果的です。

最新の記事 親の相談室(こどもが何かが見えるという)2020.9.20


 こどもが,親には見えないのに虫がいると怖がる。「となりのととろ」の「まっくろくろすけ」のような黒い虫が見えるという。あるこどもは,霊のようなものが見えるという。変な物音や声が聞こえる。奇妙な人の気配がする。なぜか線香のにおいがする。こどものようすがおかしいと保護者の方が心配になって,相談に来られることがあります。

 夏になると,TVYou-Tubeなどでも,こういう内容が話題になります。人影やラップ音がVTRの記録に残っていたとか,体験談が組まれたりします。こういう番組を見ていると,しばしば鳥肌が立ちますし,トイレに行くのも怖くなります。
 しかし,あとよくよく考えてみると,番組は,気配やそういうふうに見えたのを演出しているかのように思えてくることがあります。
 しかしながら,実際はほとんどの人は,はっきりと幽霊は見たことはないし,気配はしたというぐらいのところではないでしょうか。

 では,実際は存在しないのに,その本人だけが見えたというのは,うそを言っているのでしょうか。いや,本人にはちゃんと見えて感じていることなのです。

 こどもが,ストレスや抱えていたり,とてもつらいことがあって,うつ状態であるときにも,一時的に何かが見えたり,被害妄想をいったりすることもあります。こういう症状のことを精神医学では,幻覚や幻視,幻聴,幻嗅,体感幻覚といいます。

 しかし,こういうこどもには,統合失調症の疑いがあるという診断がなされることがあります。この疾患の特徴は,思春期頃に比較的発症しやすい病気です。大きい病気の1つです。「脳の火災」とも言われています。幻覚と妄想を主な症状としており,早く消し止めるのが1番です。脳へのダメージが大きく,萎縮を起こし,機能低下に至ることになりかねないのです。
 何かが見える,何かが聞こえると,こどもが頻繁に言うようでしたら,少しでも早く受診することをおすすめします。

 もう一度,おさらいしてみると,こどもに「幻覚や妄想があること。そして,集中力を欠いて,作業的な能力の低下がみられること。今までと何か違った雰囲気をかもしだしていること。」などがあれば,統合失調症の可能性があります。

 霊的な感じ取りを統合失調症かもしれないと,ファンタジーをなくすようなことを言っていますが,病気かもしれないという視点も新たに持っていただいてもいいかと思っています。
 しかし,とても小さいこどもや犬猫などは,霊が本当に見えているのではないかと思うことがよくありますよね。

最新の記事 親の相談室(こどもがゲームを止めない)2020.9.12


 オンライン化でゲームが,ますます進化しています。また,世界的な規模で「eスポーツ」などの競技が行われており,職業化しつつあるようなゲームも現れてきています。 
 しかしながら,本来ゲームは,楽しむのであり人生の糧にもなりうるものですが,ゲームに没頭し,巻き込まれてしまうことも起こっています。ゲームに依存し,生活が乱れてしまうこどもも大人もが増えてきています。

 現実には,ゲームに依存しているこどもがいる家庭は,どんな状態になっているのでしょうか。思い浮かぶことは,こどもが部屋に引きこもっていることです。親子の交流も拒絶をしています。時には,こどもの部屋の壁に穴が開いています。食事も,こどもの部屋の前に置くだけです。
 最初から,そうではありません。不登校やいじめなどの経験や親子間のバトルなどが原因で,徐々にそうなっていったのでしょう。こどもも大変ですが,親も大変です。

 ところで,最近WHOでも話題になっていたのですが,ゲームで生活が乱れているこどもは,ゲーム依存症を意識します。「ゲーム脳」のようになっていて,ゲームに没頭し,ゲームに依存し,イライラして,キレやすくなっている状態にあることです。
 大人にあるよくあるアルコールやギャンブル,薬物などの依存症に近い状態です。この状態では,治療を必要とします。ゲーム依存症は,長期にわたる治療や対応することが必要となってきます。
 実際は,たいがいのこどもは治療まで必要になってくることはありませんが,どのこどももゲーム依存症になる可能性はあります。

 では,ゲームに熱中しているこどもがゲームに巻き込まれずに,依存症にならないようにするどうすればいいのでしょうか。ただ単にゲームを止めなさいとか,時間を決めてしなさいとかいう対応ではなく,こどもの将来や夢を考慮したゲームの約束事を家族でつくることでしょうか。
 ゲームを起因とする「イライラ」や「倦怠感」にも,親はしっかりとした「壁」になることが必要でしょう。こどもがゲームに没頭するきっかけとなったしんどさは何か,それと共に向き合うことなどが必要となってきます。

 今は,不登校と共に,ゲーム依存も,社会の深刻な問題となっています。コロナ禍にある今こそ,こどもを守るという意味でも,ゲームに振り回されているこどものしんどさに向き合うことが大事ではないでしょうか。

最新の記事 親の相談室(こどもがひどく痩せてきた)2020.9.5


 こどもが,ごはんを食べようとせずに,ひどく痩せてきた。最初は,普通にダイエットと思って,心配をしなかったが,十分に痩せてきたのに,まだまだ太っていると,食事制限をしている。ずっと,水とビスケットだけでは,病気にならないか心配である。そんなとき,摂食障害を疑います。

 思春期の女子に多く見られるダイエットですが,摂食障害にまですすんでいくことがあります。大きなストレスや心理的な要因,生物的な要素が関わると考えられています。
 ご存知かもしれませんが,生物的な要素とは,かつて人類が飢餓に備えて,体に脂肪を蓄える機能のことです。食事制限をしたあと,ほっとしていると,ますます食欲がわいてきます。ダイエットのあとのリバウンド現象などは,そんなことが影響しているのでしょう。摂食障害においても,拒食と過食を繰り返しやすいのが特徴です。

 拒食症では,食べたものを嘔吐してでも,体重を調整します。体重の数値だけを追い求めて,自身のもともと理想とした体形が見えなくなります。どんどん体重を減らそうとするわけで,そのうち命にも関わるような危険な状態も招きかねません。一般的には,標準体重の15%を切れば,摂食障害と言われます。155㎝ぐらいの身長でしたら,体重が30㎏前後で,拒食症の疑いが出てきそうです。
 しかし,重要なのは,体重がますます減りつつあるのか,戻りつつあるのかということです。もっと体重が減ることになれば,点滴などが必要になり,入院措置となります。

 親などの家族や友だちが,本人の顔や体形を見て,「ヤバイよ」と騒ぎ出せば,こども自身も,さすがに心配になってきます。
 こんなこどもは,親思いのこどもが多くて,周りには迷惑をかけまいと思っています。家族や友だちの前では,普通に食事をしても,あと密かにトイレで「もどす」こともしばしばあります。「もどしてはいけないこと」が分かっているのですが,止められないのです。嗜癖(しへき)や強迫症状に近いのかもしれません。
 精神科や心療内科の診察は,親子で相談できますので,思い切って病院に行ってもいいかと思います。あとカウンセリングをするのも効果はあります。

 親がこどもに「食べなさい。」と言っても,すぐには,普通に食べることはできません。親も「こどもが食べること」に執着しないことです。むしろ,こどものしんどい思いを理解し,不安定な精神面への支えとなることです。すぐには,症状が改善することはないので,長期にわたる周りの温かい対応がとても必要となってきます。

最新の記事 親の相談室(こどもが家出をする)2020.8.29


 こどもが,「こんな家や嫌や,家を出たい。」「私はいらん子や。」といつも言っている。親は親で,こどもの言葉に反応して,「そんな子はいつでも出て行ったらいい。」「いなくてせいせいする。」と言い返す。そんな会話が普通になされていることが案外あります。
 そんな話を聞くと,一瞬驚きますが,どれだけ本音を語っているのでしょうか。
 
 このような会話がなされていても,実際には,家出をしないことが多いのですが,突発的に,こどもが家を飛び出すことがあります。そうなれば,保護者の方は,大慌てで,警察や学校,児童相談所に連絡したり,保護者が知っているこどもの友だちに問い合わせたりします。

 専門機関で相談業務をしていると,家出経験のある大人やこどもと出会うことが結構あります。相談の合間に,過去の家出のようすや思いを聞く機会があります。家出の理由やきっかけは,家族への反発がほとんどですが、いろいろあります。大人もこどもも,そうです。
 
 余談になりますが,大人と子どもの家出先などに,どんな違いがあるでしょうか。大人の家出の方が,遠い場所に長期間に滞在することが多いです。家を出ることの覚悟や所持金の違いも影響しているのかもしれません。

 こどもの家出は,鉄道やバスを使って遠方に向かうこともありますが,お金がないので,近場の友だちの家を順繰り渡り歩くということが多いです。。結果として,友だちやその地域が,家出のこどもを守ることになります。時には,児童相談所に通所経験のあるこどもは,児童相談所の一時保護を願うこどももいます。

 しかし,体を張った家出も,長期となると,大人もこどもも,疲れてきて,早く家に帰りたいと願います。帰宅するには,きっかけが必要となってきます。早く帰りたくて仕方がないのですが,きっかけがなければ,なかなか家に帰ることができません。

 なによりも体裁のよい帰宅のきっかけは,「親や家族に自分を見つけてもらう。」ということです。大人もそうです。
 待ち切れずに,「犬に餌をあげるために家に帰ってきた。」などの理由づけをして,自ら帰宅することもありますが,親や家族が「家出をしているこどもを懸命に見つけ出して,家に連れ戻される。」という帰宅を熱望しています。

 心配していた親や家族は,帰宅したこどもを見た瞬間に,「怒り」と「安堵」の気持ちが交錯します。気持ちをコントロールしながら,どれだけ心配したかを伝えることが必要となってきます。同時に,こどもの思いを聴くことも,とても大切になります。
 こどもは,この瞬間にも親の愛情を計っています。これから長く続く親子関係のために,こんな対応がとても必要になってくるのではないでしょうか。 

最新の記事 親の相談室(こどもが頻繁に手を洗う)2020.8.20


 コロナウィルス感染防止のために,学校や病院,どんな店舗の入り口にも,除菌用のアルコール消毒液が設置されています。まとまった買い物をしようと,何件もお店を回っていると,消毒液で何回も手を洗うことになります。そんな日の夜は,さすがに手が荒れていて,痛くはないのですが,何か所も薄皮がめくれています。とくに,風呂上がりなど目立ちます。この程度の手荒れは,皮膚科の医者のお世話になることはなく,数日で治っています。

 ところが,ずっと,手が荒れているこどもがいます。冬は,手がカサカサになっていて,ひび割れて血がでているこどももいます。もちろん,同じような大人もいます。ご存知の方も多いかと思いますが,手洗い強迫とか,洗浄強迫といって,手を洗わないといられないことがあります。ガマンできずに,手を頻繁に洗ってしまいます。手が汚れていることが,本人とっては恐怖になっているのですね。コロナウィルスもそうですが,見えない身の回りの汚れが,気になってしかたがないのです。

 似たようなことでは,外出時に,家の施錠をしてきたか,ガス栓は大丈夫かと,気になってしまう確認強迫があります。あと,よく知られている強迫症状としては,狭いところが苦手な閉所恐怖や,高いところが苦手な高所恐怖などがあります。

 気にしなくてもいいのに,そのことにとらわれて,過度に心配すること(強迫観念),過度に行動(強迫行為)をすることで,日常生活に支障をきたして,身動きが取れなくなってくることがあります。この症状を強迫性障害といいます。外でも家でもものが触れないとか,家のガス栓を閉めたか心配で,外出ができなくなるといってことが起こってきます。
 
 器質的なこともあるかもしれませんが,過剰なストレスがきっかけとなります。過去のトラウマをかばうかのように,強迫性障害が起こってくることもあります。対処法としては,投薬やカウンセリングなどがあります。

 コロナ禍での学校や店舗の消毒液での洗浄の奨励は,頻繁に手を洗うこどもにとっては,受け入れやすく,安心の材料になることでしょう。「手を洗ってはいけない。」とか,「周りの汚れを気にしてはいけない。」といったことを言われないわけですから,とても心が安らぎます。そんなこどもにとっては,居心地のいい世の中になっています。

 ちょっとした手洗いや施錠などの不安は,経験したことがある人も多いことでしょう。普通に生活ができていれば,それでいいのです。過剰な心配が,強迫観念や強迫行為を作ってしまうこともあります。

最新の記事 親の相談室(こどもが話を聞いてくれないという)2020.8.5


 どうすれば,上手にこどもの話を聞けるのでしょうか。今日は,「傾聴」をテーマに考えていきたいと思っています。こどもが「私の気持ちを分かってくれていない。」「話を全然聞いてくれない。」という。
 親は親で,「あなたの気持ちを考えて,一生懸命に聞いているのにどうして,そんなことをいうの。」という思いを持ちます。人の話を聞くことは,やはり難しいことですね。

 各都道府県や市町村では,先生方を対象に,教育相談の研修会も多く開催しています。その中心は,生徒の理解と対応となります。そのために,関係づくりのための傾聴実習が行われることがあります。もともと,学校の先生の仕事は,話すことが中心ですが,聞くことも大事となります。また,生徒からの相談の大部分は,「思いを聞いて欲しい。」そのものなのです。

 「傾聴」を理解するために,「下手な聞き方」を紹介します。
 下記の「下手な聞き方」は,研修会で紹介していたことなのですが,親である保護者の方々にも,とても役立つと思っています。もちろん,日々の人間関係でも,役に立ちます。
 「下手な聞き方」(マートン.C.ハンブリー)
 1.私が言おうとしていること,考えている流れを妨害する人
 2.問題をそらしてしまう人
 3.私がまだ喋っているのに,もう自分の答えを考えている人
 4.答えを一緒に考えてくれず,すぐ助言する人
 5.私も皆と一緒だといって,話を一般化する人
 6.すぐに結論を出し,私を邪魔する人
 7.私の問題を決めつけようとする人
 8.理性的にも感情的にも,今ある状況の外に立とうとする人
 9.手足や姿勢の位置を頻繁に変える人
 10.「私もそうだったのよ!」という人
 11.沈黙や間をあけてはいけないと思っている人
 12.私の質問を避ける人
 どれか思いあたる項目がありましたか。「下手な聞き方」を意識することで,「こどもが話を聞いてくれないという。」ことが少なくなればいいですね。

最新の記事 親の相談室(こどもの学級が荒れて登校を渋る)2020.10.11

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